当院で取扱いのあるワクチンをまとめました。
- 犬の混合ワクチン
- 犬のウィルスや細菌感染を予防する目的です。 当院では下記の3種類の混合ワクチンをご用意しています。
- 5種混合ワクチン
- パルボウィルス、ジステンパーウィルス、アデノウィルス、パラインフルエンザウィルスというウィルス感染症を予防する目的。 重要なウィルス感染症が予防できる一般的なワクチン。オススメ。
- 2種混合ワクチン
- パルボとジンステンパーの2つだけ予防できるワクチン。外に出歩かないワンちゃんや高齢のワンちゃんには、5種の代わりにこの2種混合ワクチンをお勧めします。
- レプトスピラ単独ワクチン
- レプトスピラという細菌感染を予防する目的。感染するにはネズミが関係していると言われています。アウトドア派や生活環境に野ネズミが出没する場合にはお勧めします。レプトスピラの汚染地域に行く場合はお勧めしますが、神奈川県での発生は非常に珍しいです。また、この感染症は人にも感染する可能性があることで有名です。 当院では、4種類のレプトスピラが予防できるワクチンをご用意しています。このワクチンは、5種混合ワクチンと同時に接種することも可能ですし、単独で接種することも可能です。
- 猫の混合ワクチン
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- 3種混合ワクチン
- 猫ウィルス性鼻気管炎、猫カリシ、猫汎白血球減少症ウィルスの3種類のウィルス感染症が予防できるワクチン。主に風邪を予防する目的で接種します。室内飼いの猫ちゃんであればこれで十分と考えられます。
- 5種混合ワクチン
- 上記の3種混合ワクチンに加えて、クラミジアと猫白血病ウィルスが予防できるワクチン。頻繁に外へ出掛ける猫や同居猫ちゃんが猫白血病ウィルスに感染している場合にオススメ。
- フェレットのワクチン
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- 2種混合ワクチン
- パルボとジンステンパーの2つだけ予防するワクチン。フェレットの場合、問題となるのはジステンパーウィルスですが、日本にはフェレット専用のジステンパー単独ワクチンはありません。上記の犬の2種混合ワクチンを代用しています。適応外の使用になりますのでご了承下さい。
- 患者様からお問い合わせが多い内容をQ&A形式にまとめました。参考にどうぞ
Q.混合ワクチンは安全ですか?
A.100%安全ではありません。まれにアレルギー反応等の副作用がみられるワンちゃんもいます。いかなるワクチンも、簡単に言うと『弱い毒を体内に入れて、毒に対する抵抗力を備える』のが目的です。必要が無ければ、体内に入れるべきではありません。当院では、患者様の生活スタイルに合わせて、どの混合ワクチンを接種すべきかご相談させて頂いております。
Q. トリミングの後に、混合ワクチンを接種できますか?
A. ダメです。ワクチン接種前後にストレスを与えることや、接種直後にドッグランで遊んだりするのは、副作用の発現リスクを高める可能性があるのでお勧めできません。ワクチンは元気で体調の良い時に接種すべきです。また、ワクチン接種は午前中、または午後の診療の早い時間帯に接種させて下さい。午後の診療終了間際に接種して、夜中に具合が悪くなって.....ってのを防ぎたいからです
Q.犬の混合ワクチンは、毎年必要でしょうか?
A.混合ワクチンの接種は『任意』ですが、感染してしまうと命に係わる事もあるので、接種するようにして下さい。ペットホテル、トリミングサロン、ドッグラン等をご利用される場合は、多くの施設でワクチンの証明書の提示を義務付けている為、各施設のワクチン接種条件に合わせて接種しなくてはなりません。当院では、『WASAVA』という獣医さんの国際的な団体のガイドラインに沿って混合ワクチンを接種しています。仔犬の時に2-3回接種し、その1年後に追加接種が必要です。その後、大人になってからは、最大3年毎の接種を勧めています。詳しくは、獣医師と相談して下さい。
Q. 猫の混合ワクチンは、毎年必要でしょうか?
A. 完全室内飼いで他の猫と接触する機会が無い成猫の場合は、最大3年間有効と考えられます。定期的に外に出掛ける猫や、白血病を予防したい場合は、毎年の接種が必要です。
Q.抗体検査とは何ですか?
A. ワクチンの効果がどの程度体に残っているかを調べる血液検査です。抗体検査の結果が良ければ、ワクチンの効果がまだ残っていると判断できます。その場合、ワクチンの追加接種を急ぐ必要はありません。抗体検査の結果が悪い場合は、ワクチンの効果が既に無いので、病気を予防することができません。直ぐにでも、追加のワクチン接種が必要です。
Q.本当に3年に1回の接種で大丈夫でしょうか?
A. 動物先進国と比べて日本はワクチンの接種率が低いことから、先進国で推奨されている3年毎のワクチン接種のやり方を日本でそののまま当てはめていいのか誰にも分かりません。生活環境と地域性を考慮して、ワクチンの種類と接種頻度を獣医師と相談して下さい。レプトスピラの多発地域ではない地域で、問答無用に8や9種のワクチンを接種するのは無駄と考えられます。どのぐらいの頻度で混合ワクチンを接種すべきか悩まれている方には、上記の抗体検査をお勧め致します。
Q. ワクチンには、どんな副作用がありますか?
A. 接種直後の副作用と時間が経ってからの副作用の2種類あります。
接種直後の副作用は、アナフィラキシーショックと呼ばれる即時型アレルギー反応です。これは、呼吸が荒くなったり、意識を失ったり、立てなくなります。命に係わる場合もありますので、緊急的な治療が必要になります。通常接種後5-10分後に発生することが多いので、ワクチン接種後は10分程病院内でお待ち頂くようにお願いしています。
時間が経ってからの代表的な副作用は、顔が腫れる、痒くなる、注射部位が痛む、発熱、嘔吐、下痢等多岐に渡ります。接種後4-5時間後に飼い主様が気づかれることが多いです。少しでも具合が悪そうな場合は、当院までご連絡下さい。
Q. 昨年は9種混合ワクチンを接種しました。今年は5種を接種できますか?
A. ワクチンは接種の度に、種類を変えることができます。毎回同じ種類の混合ワクチンを接種する必要はありません。接種の度に、獣医師とご相談下さい。
Q. 混合ワクチンは狂犬病ワクチンと同時に接種できますか?
A. 不可能ではありませんが、お勧めしません。2種類のワクチンを同時に接種すると副作用のリスクが高まり、またワクチンの効果が得られにくいからです。
Q. 混合ワクチンを接種した日に、フィラリアの薬はOKですか?
A. 不可能ではありませんが、お勧めしません。最悪、具合が悪くなった時に、どちらが原因であるの分からないからです。2-3日の間隔を空けた方が無難でしょう。